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2010年10月20日(水)更新

『リーダー社員錬成講座』第6話 うちにも坂本龍馬が欲しい

今日はもう1本いっときます。勝手刊と言うのは、書き手にとっては誠にありがたいものです。調子のいいときは連打です!

NHK大河ドラマ「龍馬伝」いよいよお詰めですが、大人気ですね。私は両親が高知出身で、幼少のみぎりのときは里帰りと言えば高知。意識の半分は土佐人のようなものです。土佐弁はネイティブ並みに理解できます。三菱の会社に勤務していたこともありますから、岩崎弥太郎にも親近感があります。余談ですが、うちの両親の若かりし頃には、高知では、龍馬よりも武市半平太の方がよっぽど有名だったそうです。目立たなかった龍馬の業績が発掘されて光が当てられたのは司馬遼太郎さんの偉業ですね。

さてさて、実はこれ、今回の前置きです。不況期になると、どの会社でも龍馬待望論が出るとは、通説でもあるのですが、(その点、今年の大河はタイムリー!もういいか)龍馬をひとつのリーダー像として見立てると気づけるものがあります。

注目したいのは、龍馬が権力者ではなかったということ、一介の脱藩浪人が、薩長同盟、大政奉還という国家の大変革の立役者となったこと。ここです。

これが教えてくれるものは、

誰でもリーダーになれる可能性を持つということです。
リーダーは生まれながらのものとは限らないということでもあります。

リーダーとして必要なこと云々については、あとの話で取り上げるとして、「リーダー社員」という点で見た場合、

 「誰のために、何をリードするのか?」

この問いかけは大きな意味を持ちます。極めてシンプルに考えると、「リーダー」とは、「リードする人」。じゃあ、「一体、何をリードするの?」「それは、誰のためにするの」このように因数分解して具体的にできる訳です。裏を返せば、これに応えられない人は、リーダーのようでリーダーでない人となります。

 ・会社の継続発展のために、何らかの課題達成をリードする人

大まかには、このように表現することができるでしょう。これだけの表現では大き過ぎますので、もう少し現実的な表現を加えますと、

 ・その課題達成のために、必要な人や組織を動かせる人

こうなります。

 「貢献対象」「明確かつ具体的な課題」「動かす」といったことがキーとなって来ます。「動かす」の中には、その気にさせる=モチベーションを上げるということも入って来るでしょう。

会社組織は役割分担の協業組織であることを考えると、社長としてのリーダーシップが必要なのと同じように、部長としてのリーダーシップ、課長としてのリーダーシップが必要です。そして経営陣や管理職ばかりではなく、現場を預かる人々、係長や主任、中堅社員、一般社員にもリーダーシップは必要ということになります。立場立場で必要となるリーダーシップが連鎖結合して全体のリーダーシップが構成されているのです。

おっきいリーダーも必要ですが、ちっちゃいリーダーも沢山必要になるということです。しかるに、それを充足する絶対量が圧倒的に不足している。これが、企業や団体の実情です。

動かされる人も必要ですが、その人の中には、動かされながらも、自分の貢献対象を動かす部分も持っていなければなりません。おっきいリーダーは、ちっちゃいリーダーから育ちます。50歳を身近に感じるようになった私ですが、最近とみに次代を担うちっちゃいリーダーが育っていないという焦りを感じるようになっています。それは、自分の年金が心配だということからではなく(少しはあるとしても・汗)、自分の国が、活力がなくなっていくのが嫌だし、寂しいのです。映画「三丁目の夕日」の時代のような明日の希望を信じられる社会になって欲しいと願いたいのです。

心配するだけでは何も変わらない。変えるのは自分の行動から。なんとかしなきゃ。私も自分ができる範囲(企業団体の人材育成)を一隅でも明るく照らす覚悟で、ちっちゃいリーダーを錬成するお手伝いを精一杯やろうと思っています。

それにしても、幕末ドラマでよくある「国事に奔走する」なんてセリフは現代では、すっかり死語になりましたなぁ。政治家の先生は、国事にどこまで奔走してくれているのだろうか。「この国のリーダー」・・・これも気になりますね。

またまた脱線気味ですね。今回はこの辺で。

次回は、リーダーの資質についての予定です。

2010年10月20日(水)更新

『リーダー社員錬成講座』第5話 リーダー社員ってどんな人?

「リーダー」という表現。これって、社員教育の世界では大人気なんです。それは、研修のネーミングに如実に表れております。「主任研修」とか「係長研修」または、社内資格呼称を付けて「主事補研修」だとか「S3研修」だとかそういうものも多いのですが、意外に多いのが、「リーダー」を冠した研修です。私が記憶しているものだけでも「中堅リーダー社員研修」「リーダーシップ研修」「ジュニアリーダー研修」いやいやもっとスケールのデカイものもありました。「変革リーダー研修」「改革リーダー研修」「フロンティアーリーダー」だとか「先進リーダー」とか言うのもあったっけ。思わず、「何ですか!?」となってしまうのもありましたが、研修を企画する各企業さんの熱い想いはひしひしと感じておりました。講師も期待に応えるべく必死でございます。

どこでも「リーダー」は待望されているのですね。これが、中小企業になると、社員一人の動きが与える影響力がまたまた大きいものですから、社長からの待望論はさらに大きくなります。

厳しい言い方ですが、

 言うたことろくにできない社員は困るのです。
 言うたことねじ曲げて進める社員はもっと困ります。

 言うたこと、ぴちっとできる社員がまず第一歩。
 そして、「リーダー」ができる社員へと社長は期待したいのです。

さて、ここで、大事な問題がありまして、「リーダー」と言っても、イメージが明確になっているかというと案外そうでもないのです。もちろん、巷間よく言われるように、「みんなを引っ張る」だとか「統率する」だとか「指導する」だとかというイメージは誰もがある程度は持っています。「目的達成に向けての影響力」という考え方もあります。「リーダー」を待望しているが、その明確かつ具体的なイメージを持っているか。こう畳みかけると出て来ないのです。実態は極めてあいまいなイメージの中で「リーダー」像が語られているのです。

 シンプルにイメージできなきゃダメなんです。
 そうじゃなきゃ、錬成して「育成」なんてできやしない。
 人材の錬金術師はいません。

いかん、いかん横道に逸れそうです。。。

 「それって何!?」をお話しないといけません。

それは、、、長くなりそうなので、次回へ。
NHKの朝ドラに負けじと刻みながら続けます(笑)。

お付き合いいただければ嬉しいです。