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2010年12月19日(日)更新
企業の品格は不採用通知に表れる
就職難の時代が続いています。
就職難は求人側から見れば採用易ともなります。
私はサラリーマン時代の最後を総務人事職で過ごしまして、2000年前後を人事課長として採用実務の統括もしておりました。この時代も求人難で、新卒採用、特に研究職の募集には応募者殺到だったのを今でもよく覚えています。
中部から西日本のあらゆる国公立大学、有名私大理工系の学生・大学院生がそれはそれは沢山来てくださいました。特に女性の方々が多かったです。この当時、研究職の募集は、ほとんどなかったことがその要因でした。
学生時代からまじめにコツコツと努力して来た彼女たちを片っぱしから不合格にしないといけないのは仕事とはいえ、辛いものでした。(事情が許せば一緒に仕事をしたい好人物がホント沢山いたのでした)
折角、我が社を志望して、遠いところ、時間と交通費をかけて来てくれた応募者の方々の気持ちを傷つけずに、どうお返事しようかとホント悩みました。
私がこんなことを悩むようになったのは、これより数年ほど前だったのですが、機械メーカーの営業マン時代、担当していた食品工場の工場長さんとお話したのが、きっかけでした。
商談から、ひょんなことから社員採用の話になったのですが、工場長さん沈痛な面持ちでこうおっしゃったのです。
「たーくさん応募くださった方々のほとんどに御断りのお返事をしないといけません。これには本当に悩みます。応募者の方々は私どものお客様でもあるんです。折角、うちで働きたいと来られたのに、変な断られ方をしたらスーパーの棚でうちの商品を手にとってくれることは二度となくなるでしょう」と。
ホントお困りの表情で言われていたのが、私にはすごく印象深かったです。
採用は単なる事務処理でやってはいけません。求人側は、応募者の方の心を忘れちゃいけません。人間気をつけないと採用する方が偉い。給料払う方が偉いと錯覚してしまいます。
今は、変な対応をすると、すぐにネット上で広められる怖い時代でもあります。「心」の無い会社は、結構バシバシと叩かれる厳しい時代ですね。
いい返事はし易いですが、よくない返事をどう丁寧に差し上げれるか、そこにその会社の真の品格が出るというのは、決して言い過ぎでもありません。
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